個人開発者はもうからない?アプリ開発の戦国時代と成功要因
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こんにちは!
アプリ開発が活況になって久しいです。
しかし、実際のところ儲けている人はほんの一握り、1%に到達しない。
特に昨年2013年から、厳しい時代に入っていると言えます。今日はそんな記事をお届けします。
(AndroidのDeveloper登録料についてご指摘を頂きました!訂正致しました、ありがとうございます。
誤:年間2500円 → 正:初回だけ25ドル)
photo credit: premasagar via photopin cc
何故戦国時代と言えるか?
現在アプリ開発をされている方は、ひしひしと感じられているか、もしくは、うちは関係ないよ、と思われている方も中にはいらっしゃるかもしれません。
これから開発される方も気になるトピックスだと思います。
さて、
アプリマーケティング研究所 | アプリビジネスを行う人のためのマーケティング情報サイト。アプリマーケティングに役立つ記事を発信
はご存知でしょうか?
アプリ開発に携わっている方なら一度は目にした事はあるでしょう。
読んだ事ない方へ、それはもう大変面白いです。
有名なゲーム開発者さんの生の意見がどっさり紹介されていますので、開発者なら、全ての記事をご一読されても絶対に損はありません。
ところで、こんなの
リアル収益や広告単価もぽろり!人気アプリ開発者による暴露トークセッションin大阪-メタップス×アプリゲット勉強会 | アプリマーケティング研究所
を読んでいると、アプリ業界はまだまだ活況でいける!!
なんて妄想を抱きかねません。
しかし実際は、小規模ベンダーにとって生き残ること自体が厳しい業界になって来ています。
まずは人気記事
儲かる?儲からない?アプリの広告収入まとめ | アプリマーケティング研究所
から見てみましょう。
(半年以上前、2013年4月28日の記事です。)
輝かしい成功例から現実的な数字まで、赤裸裸に記載されています。
単純だけどハマるゲームや、消費者心理を突いたものまで、色々ありますね。
これだけ見ても、儲かっているのはほんの一部なんだなぁ、と感じる方が多いかもしれません。
例えば、「〜心理分析」のような鉄板テンプレート式にアプリを作成しても、ライバルが多くて埋もれてしまい、思ったように収益が上がらないことが容易に想像できます。
アプリ開発は成熟期に入ったのです。
個人開発者さんの興味深い話
こんな現実的なお話があります。良質のアプリを提供されている開発者Leo Rivas(リオ・リーバス)さんのお話です。
国連から表彰されても引退なの?個人アプリ開発の世界は残酷だ。-リオ・リーバスさんインタビュー | アプリマーケティング研究所
FusionCalcという電卓アプリは、KDDIでも採用されており、愛好者が多いです。
しかし、昨年、「結果が出なければ引退」宣言をされました。
アプリ開発引退をかけた渾身の新作!FusionCalc2をリリース!〜これで駄目なら俺は辞めるぞ!〜 / スタジオルーペ|個人iPhoneアプリ開発者のブログ
そして今年、公式サイトでこんな記事を投稿されました。
専業アプリ開発者を引退します!5年間ありがとうございました! / スタジオルーペ|個人iPhoneアプリ開発者のブログ
このように、大変ご活躍されている開発者さんでも、個人開発としては引退をせざるを得ない状況にもなりうるということです。リオ・リーバスさんについては、大変優秀で他の事をやっても職に困ることはなさそうですが、興味深い内容です。
特に、ゲームやカメラアプリ以外の、DAU(Daily Active Users、1日当たりのアクティブユーザー )が増えにくいアプリや、たまに起動して使うようなアプリは本当に稼げない時代になったと言えます。有料に対するお財布の紐が想像以上に固い上に、無料のクオリティが高いのです。
僕は駆け出しですが、上記だけでなく、実際に現場のプロの方々からも、単純にiOSアプリ開発だけでは難しいという声を聞いています。
アバウトな数字ですが、色々調べてみるに、無料アプリなら合計50万ダウンロードかつ、DAU(Daily Active Users)1日当たりのアクティブユーザーも合計1万人以上 を目指さないと、個人で食って行くレベルには到達しない、ようです。
こんな状況下でどうすれば?
最近、こんな記事がありました。裸一貫で始めて収入が百分の一になりつつも、現在成功を納めていらっしゃるiphoneアプリ個人開発者さんのお話です。
中国で成功の秘密はナンパでローカライズ?世界100万ダウンロード間近の自撮りアプリ「セクシーミラー」インタビュー | アプリマーケティング研究所
海外で先に成功を納めて、日本ではNAVERまとめでダウンロード数が急進したそうです。
海外大人気カメラアプリ『セクシーミラー』の作者ツイートが泣ける - NAVER まとめ
・開発者さんのサイト
そんな作者さんの象徴的なツイートがあります。
アプリ開発はホント怖い世界ですよ。 アプリで食ってこうと決意し安定した仕事をやめ、初めて有料アプリの和牛スキャンリリース->月収1万。月収は1/100になった。アプリで成功しないのも後押しして、離婚。シングルファーザーになり、それから1年後が今です。
全力で打ち込み、食って行けるレベルになるまで1年かかったというお話です。
一緒に取り組んでいた仲間にも離れられ、尚も不屈の精神で自分を信じて挑んだ結果が身を結んだようです。本当に良かったです。
成功のファクターを整理してみましょう。
動向をいち早く掴む
元々、グローバル展開を視野に、特定の分野に注力して取り組んでおられたように思います。すなわち、自画撮り・自分撮り(海外ではSelfieセルフィーという)に対する消費者のニーズを、先んじて掴んでいたということが大きいのではないでしょうか。
英オックスフォード大学出版局は2013年多大な注目を集めた英語の言葉として、スマートフォンなどを使った自分撮り写真を意味する「セルフィー(SELFIE)」を選出しています。
DAU(Daily Active Users1日当たりのアクティブユーザー)数の確保
海外では基本的には有料コンテンツは受け入れられないとのことです。無料でも良質のアプリが増えたため、日本でもその傾向は大きくなっていると思われます。そのため、無料でも儲かる仕組みを取り入れる必要があります。
- 徹底的なローカライズ(他言語対応)
- 長く使ってもらうための工夫
- 広告の最適化
プロモーションのデザインや、現地ニーズに即したアプリのタイトル等が1つ目、飽きさせないためのスロットの仕組みが2つ目になりますね。
つまり、コンテンツそのものと同じくらい、それ以上にプロモーション力が重要で、同時にコンテンツそのものにもバイラル(口コミ)される何か=スパイスを持たせる必要があるということです。特に小規模ベンダーでは顕著でしょう。
このように、大変参考になり、また自伝的にも面白いので、ご本人のブログを含めて読んでみる価値ありです。
アプリ開発者こそ先見性を。新しいプラットフォームを狙え
違う切り口からも。
2011年頃から、「アプリ開発者は、依然としてiOS開発を好む状況下にある」と言われてきました。現在もその傾向はあると感じます。
クロスワードゲームで成功をされている、Mokosoft開発者さんからです。
クロスワードアプリで、広告収益1000万円を達成できた過程とポイントその1 - Mokosoft開発者ブログ
iphone では 2009年からリリースを開始されています。
収益モデルでは、現在 iphone : Android = 2 : 8 になっている模様です。
iphoneでは、itunesのランキングロジックが変更されてからは、広告ブーストをしないとランキングを狙いにくくなっているそうです。特に2013年夏以降は、ランキングは3時間で更新され、かつ DAU(アクティブユーザー)の指標が大きく加味されているため、寿命が短くなりがちです。
一方で、Androidでは新着ランキングの機能があり、アプリの公開から1ヶ月間だけで競うランキングがあり、個人開発者にとって大きな可能性になっているとのこと。
アプリを作るにはまずiPhoneから、後にAndroid版をリリースという構図はもう成り立たないかもしれない - Mokosoft開発者ブログ
Android アプリ開発は現在黎明期で狙い目といえる面もありますが、時間の問題である可能性もあります。
開発者達の注目は今、Androidに集まっている | ReadWrite Japan
今後、確実かつ急速にAndroid開発者は増えますし、そもそも上記のようなランキングロジックのファクターは自分ではどうしようもありません。お殿様であるAppleとGoogleに左右されます。
つまり言いたい事は、Android開発をしよう、ということではありません。他人がやっていること(に似ていること)を続ける場合、中長期的に儲けるのは厳しい、ということです。
新しいプラットフォームには、あまり見向きもされていない初期に参戦してこそ効果が出る、のです。
例えば、Google TV 向けのアプリに特化する、等、面白いかもしれません。まだ早い段階(創成期)です。約束された新しいフロンティアです。
コーディング環境の面では、「まず間違いなくネイティブ・プラットフォームの替わりとなる」と言われているHTML5が次世代のモバイル開発の鍵になってくると思っています。マスターしても汎用性が高いので、色んな面でプラスにしかならないでしょう。
2011年の記事で古いですが、まさにその通りと思わせてくれる記事が下記です。
アイデアと開発力があっても「なかなか儲からない」-- アプリ開発者が抱く不安と課題とは - インターネットコム
アプリビジネスは、競合だらけの厳しい世界であり、一発性が大きいのです。個人的には技術者として下記の点に着目していきたいですね。
- 先見の明を持って新たなプラットフォームに乗り込む
- アプリ開発を売りにして、クライアントを開拓し、BtoBのビジネスモデルを構築する
- ハードウェア方面の連携や、他にない特色を出す
photo credit: Celestine Chua via photopin cc
それでもアプリ開発には夢がある
そんなことを言って置きながら、の話です。
アプリ開発は当然の事ながら、ビジネスとして、安全率が非常に高いです。何せ初期投資のPCに加えて、iOSでは年間8400円、Androidでは年間2500円一回だけ25ドルの Developer Program に参加するくらいです。(2014/3/7訂正)
その分ライバルはねずみ算式に増えて行きます。そんな中から、ひと際輝きを持つアプリが注目を浴びるのでしょう。特に莫大な費用をかけてブーストを行わない中小ベンダーではことさらです。
Flappy Birdのような例もあります。
1つのアイデアやセンスが世界を変えることもあるので、「遅くはない」と自分のアイデアにかけるのも多いにありでしょう!
短いコードで色んな事ができる昨今の開発環境も魅力です。僕のようなメカ系人間でもすぐに始められるような時代です。ハードウェアとの連携だって簡単になっていますからね。
自分も含めて、是非「自分だけのスタイル」を構築したいですね!
最後に書籍のご紹介です。1つ目はiphoneだけでなくandroidも含めたアプリ開発の収益化等のノウハウ本です。
2つ目は、別の機会で紹介したいと思いますが、ビジネスモデルの本です。タイプ別に分けたイノベーションの分析本、面白いですよ!